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むかしむかし 河口湖に くいしんぼうで力じまんの かっぱがすんでいました。 ある日、村一ばんの力もち 安太郎さんが こはんを あるいていると かっぱが 「おれと すもうをとるべえ」と こえを かけてきました。 |
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見ると こどもくらいの 大きさのかっぱです。 安太郎さんは にっこりとして うなずきました。 力じまんのかっぱと 人げんのすもうが はじまりました。 「ハッケヨーイ のこった。」 |
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がっぷり 四つにくんで おどろいたのは 安太郎さんです。 |
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その小さなかっぱの 力のつよいことといったらない おしてもひいても びくともしないのです。 |
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安太郎さんは ずるずるとおしこまれ、みずうみのなかへ おとされそうになった そのとき おかあのいっていたことを おもいだしたのです。 |
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「かっぱの あたまのさらにゃあ、三っつのあなが えーてるから それにゆびを つっこみゃ
かっぱは うごけなくなるんだど。」見るとたしかに 三っつのあなが あります。 |
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とっさに 安太郎さんは ゆびを あなにいれました。 |
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すると きゅうに かっぱの力は よわくなりました。 |
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ドボーン ぶくぶくぶく 水の中で こんどは なげとばされた かっぱが おどろきました。 「ひゃーっ人げんて すげー力もちがいるんだなー なんであんなに つえーずらか・・・・・・?」 |
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よるになると かっぱは 安太郎さんのいえにでかけ そとからなかを そっとのぞいてみました。 |
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安太郎さんは おかあと たのしそうに 夕はんをたべています。 あぶりざかなの いいにおいがして うまそうです。 |
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「あのさかな、くってみてえーな、 力もちに なれるずらなー・・・。」 |
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かっぱは あぶりざかなを たべたくて しかたありません。 かっぱは まい日 あぶりざかなのことばかり かんがえていました。 水の中にすむ かっぱには 火であぶる あぶりざかなの つくりかたが わかりませんでした。 たべられないと よけいにたべたいきもちは つよくなります・・・。 |
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かっぱは とうとうがまんできなくなり 安太郎さんのいえに そっと しのびこみました。そして・・・ ヒジロにさしてある あぶりざかなを いっぴきたべました。 |
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「うめー!!なんちゅう うめえずらか。」 一ぴきたべたら さらにもう一ぴき さらにと かっぱは む中で むさぼりついていました。 |
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「ぬすっと かっぱめが!!」 いつのまにか目をさました 安太郎さんが かっぱを にらんでいました。 そして、いきない あなにゆびをいれてきました。 かっぱは もうにげることは できません。 |
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「すいません もうにどと ぬすんだりしねーから かにんしてくでー。」 かっぱは ないてたのみました。 「かっぱにゃー河童膏ちゅう くすりが あるから そのこせーかたを おせーますので いのちだけは たすけてくでー。」 |
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安太郎さんは ひっしにたのむ かっぱを かわいそうとおもい ゆるし、にがしてやりました・・・。 |
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そののち・・・かっぱのくすりは 安太郎さんの いえに だいだいつたわり、河口湖の 河童膏と ひょうばんとなりました。 安太郎さんのいえには かみにかかれた くすりのつくりかたが、いまでも のこっているそうです。 |
おわり
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